2023年度の小・中学校における不登校児童生徒数は約34.6万人。11年連続で増加し、過去最多となりました。学校に行きづらい子どもたちが発しているSOSを、私たちはどれだけ受け止められているでしょうか。
一方、「子どもの『体験格差』実態調査最終報告書~全国の小学生保護者2097人へのアンケート調査~」(2023年公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン)は、家庭の所得が子どものスポーツ・文化芸術活動や、キャンプ・旅行などの体験活動の少なさに影響を与えていて、「学校外の体験がない子どもの割合」は、低所得家庭ほど多く、世帯年収によって大きな差が生じていると告発しています。コロナ禍で幼児期・少年期をすごした子どもたちの心や身体への影響も気になります。
すべての子どもたちが個人として尊重される社会、一人ひとりが安心して過ごし、仲間とともに学び、成長・発達する喜びを感じることができる学校であるためには、何よりもまず、子どもの声に誠実に耳を傾け、声にならない声をつかもうと努力することから始めなくてはなりません。本特集が、そうした営みの一助になればと願います。