『クレスコ』

現場から教育を問う教育誌

クレスコ

〈2024年10月号 9月20日発行〉

【特集】教職員の長時間労働と「中教審答申」を問う

  • 全教共済
専門部

2007年度全教幼稚園部総会を開催し、アピールを採択

 全教幼稚園部は7月23日 2007年度総会を開催し、2007年度の方針を確定しました。総会は下記の総会アピールを採択しました。


全教幼稚園部 総会アピール

 「おはよう」「おはようございます」。曲がり角から元気な顔がのぞく、
 大抵、母親より数歩前を歩いてくる子どもたち。凛として張り切っている様子が伝わる。
 そして思い思いの場所で遊び始める子どもたち。
 気になる子どもたちがいる、ちょっとしたことで切れる。暴言を吐く。
 友達や大人を殴る・ける。反面、課題を前に「出来ない」とクラスを飛び出し、気持ちのやり場をなくして荒れる姿に自信のなさと強がりが見えてくる。
 
 子どもや家庭が変わったというけれど、表面に現れた「荒れ」や「きむずかしさ」の奥に、認めてほしい。共感してほしい…と、本当の気持ちがそこにある。
 そして、子育てに迷う親がいる。
 社会全体の仕組みが対費用効果優先、一人ひとりの子どもたちが等しく発達を保障されず、経済的格差がそのまま子どもたちを覆うとしたら、なんて悲しい国だろう。
 
 昨年12月、私たちは忘れない。権力者たちが、多くの国民が反対する声を無視して、教育基本法改悪を強行したあの日の悔しさを。そして、子どもこそ教育の主人公なのだと、子どもと教育を励まし続けてきた教育基本法の精神を忘れない。 
 しかし、政府与党は教育関連3法の強行採決など次々と法案を強行採決のやりたい放題、憲法を変えるための国民投票法が可決され、日本の未来が大きく変わろうとしている。
 安倍政権の真の狙いは、アメリカに追随して戦争に参戦する国にしようと…世界に誇るべき「平和憲法の改悪」。絶対に許すわけにはいかない。
 
 保育制度も大きく変わろうとしている。
 「認定こども園」制度の導入は国の責任を曖昧にし、これまで培われた保育観や保育のレベルを軽視して経済効率優先の制度づくりを進めようとしている。
 
 私たちは流されないで生きたい。どの子も大切にされる教育を求めて。
 私たちは語り、学び合い、世代を超えて、互いに伝えたい思いを本音で語り合いたい。
 
 私たちは職場の仲間とともに声を上げよう、人として当たり前の暮らしがしたいと。
 人としての誇りが失われることのない平等で明るい職場で働きたいと。
 
 「認定子ども園」の運動に大きな広がりをもたらしたこと。
 厳しい労働条件に疑問を感じ、新しい仲間が増えたこと。
 17年間の母親たちの要求が議会を動かし「3歳児保育実現」を勝ち取ったこと。
 今、私たちは確信を持って、今こそ、平和と教育と暮らしを守るたたかいをすすめていこう。
 「仲間の輪を大きく」を目指し、地域の力を結集しながら、学習と運動をすすめていこう。
 「教え子を再び戦場に送るな」の旗を高く掲げ、子どもたちの平和な未来を保障するため、国政を変え、平和憲法を守り抜くために立ち上がろう。
 
 
 2007年 7月23日

全日本教職員組合幼稚園部
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