『クレスコ』

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〈2024年4月号 3月20日発行〉

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認定子ども園問題で全教幼稚園部が要請行動

 全教幼稚園部は4月14日、政府が2006年10月からの「認定こども園」(総合施設)本格実施に向けて、「就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律」案を3月7日に閣議決定し、国会に上程した事態を受け、子どもの利益最優先の保育・子育て政策への転換を強く求め、衆議院文部科学委員会と参議院文教科学委員会、衆参両院の厚生労働委員会の国会議員へ要請をおこないました。


2006年 4月14日

 
参議院議員 様
  

全日本教職員組合
中央執行委員長 石元 巌

 

「認定こども園」法案を見直し、子育て支援の充実を求める要請書


 子どもたちにゆきとどいた教育を保障するため、教育条件の整備にご尽力いただいていることに、心より敬意を表します。
 さて、このたび「就学前の教育、保育等の提供の推進に関する法律案」(いわゆる「認定子ども園」に関する新法)が国会に上程されました。子どもの最善の利益を第1に、教育条件・保育水準の向上を強く求めるとともに、「認定こども園」についての国民的な論議と国会における慎重な審議をしていただきたく、お願いいたします。
 この間の議論や、法律案から見えることは、政府が創設しようとしている「認定こども園」は、①幼稚園・保育所双方の認可基準の切り下げ、認可外施設の公認化をすすめ、②保育所に直接契約制度、保育料の自由設定方式を導入し、憲法・教育基本法・児童福祉法に基づいて国と自治体が責任を負う公的保育制度の縮小・変質に道を開くなど、子どもの権利をないがしろにするものです。
 核家族化や、家庭の子育て機能の低下が言われ、子育て支援が緊急の課題です。今、国と自治体がなすべきことは、保育所における待機児童の解消、保育内容の充実、家庭での子育て支援であり、国と自治体の責任において、子どもたちの健やかな育ちが保障されなければなりません。国民の切実な要求実現のため、「認定こども園」法案については、現行の保育所・幼稚園制度の拡充を基本に法案の修正・補強が図られるようご尽力いただきたく要請いたします。
 

1.「認定こども園」については、文部科学委員会だけでなく厚生労働委員会との連合審査も含め、慎重な審議をされたい。 
 
2.幼稚園設置基準の抜本的改善など、すべての子どもの健やかな育ちを保障する子育て支援事業の拡充など、予算の大幅増額と施策の拡充をされたい。少なくとも現行基準の切り下げや保育所・幼稚園の最低基準を満たさない認可外施設を「認定子ども園」として公認されることがないようにされたい。

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