『クレスコ』

現場から教育を問う教育誌

クレスコ

〈2024年11月号 10月20日発行〉

【特集】ともに歩もう! ジェンダー平等と教育の世界へ

  • 全教共済
専門部

全教幼稚園部が2005年度総会を開催し、アピールを採択

 全教幼稚園部は、2005年度総会を6月4日、東京・全国教育文化会館で開催しました。総会では下記のアピールを採択しました。


全教幼稚園部総会アピ−ル

 春を迎え、手をひかれ、新しい生活の場にやってきた子どもたち、
『ここはわたしの場所、ぼくの場所』・・・・ そう、安心できるところ・・・・
 
 新緑の若葉がきらきらと輝き、子どもたちの歓声、笑い声が響き、子どもたちと私たちの生活が営まれる場。保育は遊びと生活が基盤です。砂場で山を作り、水を運び川となり、喜び合い、つながりを深めていく子どもたち。小さなだんご虫を草の間や植木鉢の下で見つけて喜び合う子どもたち。毎日の何気ない試みで『一人ではない』『友だちがいること』を確かめ合い、ともに大きく成長しようとしています。
 この穏やかなゆっくりとした営みを、大切な子どもたちの時間を、今、奪おうとしているのはだれ!
 
 財政効率ばかりを追い求める行政改革、小泉内閣の進めてきた悪政が子どもたちの家庭生活を脅かし、子どもたちの成長発達にも深刻な影響を与えています。親たちはリストラ、転勤、単身赴任、給料の引き下げ、サービス残業の増加などにさらされながら賢明に子育てをしています。しかし、親たちは情報過多や競争社会のあおりで「早く、早く」と結果を急いだり、いらいらしたりするなど、子育てに悩んでいます。子どもが巻き込まれる事件が続発し、心配で外に出せないなど、不安もつのらせています。
 いつの時代も大人たちは、子どもたちを健やかに育てることや子育てに夢をもちたいと思うものです。だからこそ、幼稚園教育によせる期待は大きいのです。
 しかし、保育現場では、統廃合、民営化が進み、その上、親のニーズ、地域のニーズとうたい、本当の子どもの願い、親、保育者の願いをかなえることなく、幼保一元化、幼保一体化が進められ、総合施設「幼保園」が開設されてきています。
 「預かり保育」「延長保育」「事務の煩雑化」「臨時職員の雇用」など、職場はますます多忙化し、私たちの命と健康を脅かしています。
 「評価育成システム」などの導入で管理強化が進み、心までも締め付けられています。
 とりわけ、私立幼稚園では、仕事に誇りを持ち懸命に働いても低賃金と無権利状態にさらされ、現場を離れていく保育者が後を絶ちません。
 
 自衛隊のイラク派兵から一年が経とうとしています。新政府が樹立したイラクは、いまだ治安は不安定でアメリカは一方的な姿勢を変えず、イラク国民だけでなく、多くの国から非難を浴びています。小泉政権はそのアメリカを支持し続け、「武力の行使」を厳格に禁止する憲法に違反して強行したイラクへの自衛隊派兵を継続し、武力行使を任務としている多国籍軍に参加させようとしています。
 そして、今、日本の宝、「戦争の放棄」を明記した憲法九条と「一人ひとりを大切にする」とうたった教育基本法を変えようとしています。
 こんな今だからこそ私たちは、「教え子を再び戦場に送らない」を合言葉に憲法・教育基本法を守り、子どもたちを真ん中にして父母と手をつなぎ、より広範な仲間とともに力を寄せ合いましょう。
 そして、したたかに、しなやかに、ともに前進しましょう。
 
 2005年  6月 4日

全日本教職員組合幼稚園部総会
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