『クレスコ』

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〈2024年4月号 3月20日発行〉

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11人勧での要求実現、定年延長による賃下げ反対 「賃金改善要求実現8・30中央行動」に500人



 全労連公務部会・公務労組連絡会が主催する「11年人勧における公務労働者の要求実現、定年延長にともなう賃下げ反対」を掲げた、「賃金改善要求実現8・30中央行動」が8月30日(火)に行われました。全教と国公労連、自治労連等の全国の組織から、500人を超える仲間が参加しました。
 全体の行動の後、全教・教組共闘に結集する教職員組合の代表は文部科学省前に集結し、「えがお署名」提出行動を行いました。



 厳しい日差しが照りつける8月30日11時過ぎ、全国から500人以上の公務労働者が人事院前に結集しました。9月下旬に想定される人事院勧告において、公務労働者の賃金・労働条件を改善し、定年延長にむけた職場環境を整備し、高齢労働者の賃下げを行わないことなどを強く要求しました。公務労組連絡会野村幸裕議長のあいさつ、全労連小田川義和事務局長の激励あいさつ、公務労組連絡会黒田健司事務局長の情勢報告のあと、各労組から決意表明を行いました。全教を代表してマイクを握った埼教組北村純一書記長は、被災地の学校、子どもの現状とそこで奮闘する教職員の様子を紹介しながら、公務労働者の賃金引き下げがいかに道理のないものであるかを訴えました。人事院前行動の後、日比谷公園霞門を出発して霞ヶ関周辺デモを行い、昼休みを迎えた官庁街の労働者に連帯のシュプレヒコールを送りました。
 午後1時過ぎからの文部科学省前行動には、全教・教組共闘の仲間の他、共同で運動を進めている子ども全国センターからも参加がありました。全教北村佳久委員長による主催者あいさつの後、子ども全国センター三上満代表委員から共同のあいさつを受け、新日本婦人の会須藤繭子さん、宮城県教組瀬成田書記長、神障教組東山晃執行委員、日高教藤田進一書記長、全国私教連山口直之書記長から、少人数学級の実現、被災地への教職員加配、臨時教職員の正規採用化、公私格差の解消など訴えられました。



 集会最後に、えがお署名の最終提出が行われ、北村委員長と三上代表委員から文部科学省係官に7、000筆を超える署名が渡されました。えがお署名は今年度87、673筆の提出となりました。


【全教北村佳久委員長の主催者あいさつ】       2011.8.29

 8.30文科省前要求行動にご参加のみなさん。ご苦労様です。全教委員長、教組共闘代表幹事の北村です。両組織を代表して、ご挨拶を申し上げます。
 今年は、各省の概算要求の提出期限が1か月遅らされ、さらには震災復興に向けた予算編成と同時進行しようとしています。
 こうしたもとで実施する、本日の、文科省前要求行動の目的は、ただひとつです。2012年度政府予算編成にむけて文部科学省が提出する概算要求に、わたしたちの願いをしっかりと盛り込ませることを求める行動です。そのために、文科省前で、直接、教職員の要求を表明するとともに、本日、4月からとりくんできた「みんなのえがお署名」の最終提出を行います。
 本日提出する「みんなのえがお署名」は、7299筆、7月28日に提出した8万筆をこえる署名とあわせて、累計87673筆を、本日の行動の最後に、文科大臣に対して提出します。
 これまでの全国のとりくみに敬意を表し、この到達点をお互いに、確認しあいたいと思います。
 みなさん。「みんなのえがお署名」にこめられた要求項目は、わたしたち自身の要求であるとともに、父母の願いです。そして、子どもたちの願いです。わたしたちは次のことを要求しています。震災復興のための教育予算措置を。国の責任で30人学級の前進を。教育費無償化の前進を。全国学力テストは中止に、教員免許更新制は廃止を。そして 教職員定数増で、超過勤務の解消を、です。
 わたしは、東日本大震災と福島第一原発事故で甚大な被害をうけた、岩手から福島に至る多数の教育委員会を訪問し、義捐金を届けるとともに、懇談を行ってきました。懇談の中で、教育長からは、遅々としてすすまない国の対策に対して、いらだちを隠さず、そのもとでも、教職員がいかに献身的に対応してきたかを、熱く話されました。あわせて、国に対する要求が、堰を切ったように出されました。給付型奨学金制度を国でつくってほしい。給食費は国の責任で無償にしてもらいたい。就学援助制度は国の予算措置を拡充してもらいたい。など、など、教育条件整備に直接責任をおった地方自治体は、やりたくても財政的裏付けが乏しくてできない。国がしっかりと財源措置をすべきだ。といったものでした。
 これらは、まさに、これまでわたしたちが実現を求めて掲げてきた要求そのものです。
 今や、教育費無償を求める流れと、国の責任による30人学級実現を求める流れは、決して押しとどめることのできない、国民的な願いの上にたった太く、大きく、強い流れとなっています。それは、なによりも、3000万署名運動から教育全国署名運動へと発展させてきた、21年間で、累計4億筆を超える署名運動の積み重ねがあるからです。しかも、この運動を通して、地方からひとつひとつ少人数学級をひろげ、子どもたちの就学に対する地方自治体独自の制度を実現させてきたからです。
 とりわけ、今年から実施された小学校1年生での35人学級を、来年度以降、文科省が計画をたてて、さらに前進させることを強く求めるものです。いかなる後退も、停滞も、教職員はもとより、父母も教育委員会も決して認めるものではありません。前進あるのみです。
 こうしたときに、政治的な取引のひとつに、高等学校の授業料にかかわる「高校無償化」の見直しがあげられ、民主党・自民党・公明党の3党による「確認書」が交わされたことは、決して許されるものではありません。文科省の概算要求に引き続き計上されるとともに、その拡充を強く求めるものです。
 今後、全教は、9月1日に、概算要求にかかわる要求書を提出して、文科省交渉を行い、「みんなの笑顔署名」に込められた願いの実現を求めていきます。
 全国的には、すでに、ゆきとどいた教育をもとめる教育全国署名運動がスタートし、各地では、呼応した運動が始まろうとしています。これから、年末の政府予算編成にむけては、「みんなのえがお署名」から「教育全国署名」に切り替えて、このとりくみをこれまで以上にすすめることが求められています。職場で署名を多いに広げるとともに、PTAとの懇談、教育関係団体との懇談、教育委員会への要請、地元選出国会議員への要請・懇談など、これまで築いてきた到達点をさらに引き上げ、けっして無視することができない国民的な要求であることを、国会と政府に対してつきつけていこうではありませんか。
 以上、申し上げまして、要求行動開始にあたっての主催者を代表してのごあいさつとします。

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