『クレスコ』

現場から教育を問う教育誌

クレスコ

〈2024年10月号 9月20日発行〉

【特集】教職員の長時間労働と「中教審答申」を問う

  • 全教共済
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改憲手続き法案の廃案目指して3・20行動を終日展開!



 午前中の国会議員要請、昼の国会前での集会に引き続き、午後2時から「改憲手続き法案の阻止をめざす中央集会」が衆議院憲政記念館で開催(主催:憲法改悪反対共同センター、「軍事費削って、くらしと福祉・教育の実現を」国民大運動実行委員会)され、全国から620人の参加者が決意を新たに、たたかいを広げる決意を固めあいました。また、夜には「イラク戦争4年 全国一斉3・20行動」として「憲法改悪のための改憲手続き法案を許すな!米軍自衛隊はイラクから撤退せよ!米軍基地再編・強化反対3・20中央集会」が東京・日比谷野外大音楽堂で開催され、およそ2000人が参加しました。


改憲手続き法案の阻止を目指す中央集会に620人 決意新たに

 憲政記念館で開催された集会で、馬屋原潔弁護士は自由法曹団として今年2月に行ったイタリアの国民投票制度の調査の概要を述べながら、改憲手続法の問題点について指摘。メディアの利用について、「〝議員数を比例して政党に〟とされていた無料意見広告は、『修正』され『賛否対等』になったというが、3分の2は改憲案で占められるというごまかし」と述べるとともに有料広告についても、法案は最終盤を除いて規制なしであり、料金等の条件の平等を言うが「400~500億円の広告料がかかる。どうやったらこんな金が集まるのか」と料金の平等で公平が確保できないことを指摘しました。また、公務員や教職員の運動への規制の問題、少数(全有権者の20%台)の賛成で明文改憲できる問題などを指摘し、「問題を抱えた法案だ。廃案に向けてがんばろう」と締めくくりました。

 
国会議員への要請を地元事務所などへも強めよう

 また、国会情勢報告を行った日本共産党の笠井亮衆議院議員は、今後の日程について22日に中央公聴会を開き、地方公聴会を1日で2回開催するとして28日開催で調整がすすんでいるとしました。これらは「安倍首相が今国会での成立を目指すとしたことを受け、与党の構えを示している」と述べ、統一地方選挙の前半戦が過ぎたら衆議院を通すとの目論見が与党内にあることを示唆しました。一方でこうした強行な姿勢は「改憲を望まない国民との矛盾をいっそう広げている」と強調。「与党は国民に中身を知られたら困る。だから急いでいる」と述べ、宣伝や運動を大きく広げ、世論を大きくしていくことの意義を強調するとともに、自らが「励まされた」として全国からの激励FAXの束を示し、国会議員への要請を地元事務所などへも強めるよう呼びかけました。

 
『改憲反対、9条を守れ』の運動と一体で改憲手続き法案の廃案を目指す

 改憲手続き法案廃案に向けた行動提起を行った全労連の今井文夫常任幹事は、与党が統一地方選挙の前半戦が終わった直後に衆議院通過をねらっているとの緊迫した情勢について述べ、「仮に衆議院を可決しても、参議院選挙が控えており延長が困難であるとともに会期内での参議院での成立がなければ廃案になる。廃案になった場合は、安倍政権の存亡が問われるとともに、改憲の動きに重大な打撃を与えることとなる」と指摘。「一つの一つのたたかいに全力をあげ、与党を追い込んでいくことが求められている」と力を込めました。
 一方、自民党は安倍首相を本部長とする改憲国民運動推進本部を2月28日に設置し、改憲世論を盛り上げる方針を明らかにしていること、4月中に自民党主催の改憲代集会も開催を予定していることなどを示し、「5年以内の改憲を掲げる安倍政権のもとでいよいよ改憲の国民運動に乗り出そうとしている」と指摘し、今後私たちの改憲を許さぬ運動との激しいせめぎ合いになることを強調しました。
 これらのことから、「多くの国民に改憲手続き法案のねらいと問題点が知らされていない状態を一気に変えることを基軸に『改憲反対、9条を守れ』の運動と一体で改憲手続き法案の廃案を目指すとりくみをすすめよう」と述べ、次の6点の行動を提起しました。
 
1 大規模宣伝・集会・署名の推進 
○ 組織内での学習を強め、統一地方選挙と結合し、「9の日」宣伝をはじめ一斉宣伝・署名、宣伝カー、ハンドマイク、のぼり、ステッカーなどによる多彩な宣伝、集会等のとりくみを一気に強めること。
○ 貧困と格差是正、雇用、労働法制、大増税などくらしと憲法のかかわりも明らかにし、怒りを広げて大きな力にすること。教育基本法改悪反対闘争の共同も土台に、共同したとりくみを推進すること。
 
2 4・12中央集会の成功
○ 4月12日は与党が憲法調査特別委員会での改憲手続き法案の採決をねらう可能性もあり、4月段階における節となるとりくみとしての結集を目指すこと。
○ 午前中の国会傍聴、昼の議員面会所等での集会、夜の日比谷野外大音楽堂での大集会(主催:「5・3憲法集会実行委員会」)に参加すること。職場・地域からも緊急の行動を起こすこと。
 
3 傍聴・議員面会所等の成功 
○ 憲法調査特別委員会の開会日である木曜日には、国会傍聴に参加し、議面集会に合流すること。
 
4 政党・国会議員への要請
○ 政党・憲法調査特別委員会メンバーへのFAX・メール・ハガキを3月中に集中すること。
○ 各都道府県選出議員へは、FAX・メール・ハガキ・訪問など、地元議員事務所への要請の集中を特に重視すること。
※メールは「憲法改悪共同センター」の「メール一斉送信フォーム」を活用してください。
 
5 5・3憲法施行60周年記念諸行動との結合 
○ 地方・地域における憲法施行60周年のさまざまなとりくみの準備と結合し、改憲手続き法案阻止のたたかいを推進すること。特に東京における5・3憲法集会は、1万人のパレードが提起されています。
 
6 マスコミへの要請 
○ マスコミが、国の基本である国民主権の点から、改憲手続き法案が持つ重大な問題点をほとんど報道しない状況に対して、「声の欄」への投稿や公正・公平な報道を行うよう要請すること。

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