『クレスコ』

現場から教育を問う教育誌

クレスコ

〈2024年4月号 3月20日発行〉

【特集】「せんせい」になったあなたへ2024

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義務特手当・調整額の削減やめよ!「引き下げ、地方を縛るつもりはない」(文科省)全教305筆団体署名を提出し、文科省要請



 文科省の概算要求段階ではなかった義務特手当・調整額の削減という重大な問題が、12月25日に突如、来年度政府予算案に盛り込まれました。全教は、この事態を重視し、全国の構成組織から「義務特手当・調整額の削減を中止せよ」の団体署名を305筆集約し、2月5日に交渉を持ちました。文科省からは財務課の北川雅崇給与執行係長と小倉洋英調査係が対応し、全教からは杉浦洋一副委員長、蟹澤昭三中執と中村尚史中執が出席しました。

 公務員賃金は、2007年度を例外として、1999年度以降下がり続けてきましたが、教員賃金はそれに輪をかけて引下げが続いています。これは、自公政権時代の2006年に文科省が財務省と合意した教員賃金縮減案に沿ったものです。
 全教は、自公政権の下で計画された教員賃金の縮減計画そのものが無効であり、史上最大規模の公務員賃金引下げの中で、さらに教員賃金を引下げる暴挙が、現場で奮闘している教職員のモチベーションに大きな影響を与えることを追及しました。特に障害児学級・学校において児童・生徒が急激に増えている実態の中で、教員を確保していくことが必要な中、一方的な調整額の削減は現場の実態に逆行しています。文科省は、今回の経過を「教員の定数改善を最優先してすすめてきた予算折衝の最終盤で縮減が盛り込まれた」「優先度のトップは教員の数を増やすことで、税収不足の中、給与は縮減せざるを得ない」としましたが到底納得できるものではありません。時間外勤務手当が適用除外されている現状では、一般行政職よりも水準が低くなることや、人確法の立場からしても義務特手当と調整額の削減が重大問題であるとの追及に対して、文科省は「財務省との関係では、2006年に約束した教員賃金の430億円縮減の合意を白紙撤回することを確認した。もし430億円縮減をするということになれば、義務特手当と調整額を全廃しても実現できない。来年度以降は賃金改善にむけて考えたい。今回の引き下げについても文科省として地方を縛るつもりはない。」と回答しました。今後、政府予算案が可決されても、全人連および各人事委員会にむけて粘り強く要請していく必要があります。

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