『クレスコ』

現場から教育を問う教育誌

クレスコ

〈2024年10月号 9月20日発行〉

【特集】教職員の長時間労働と「中教審答申」を問う

  • 全教共済
専門部

特別支援学校の設置基準策定を求める請願署名・特別支援学級の編制標準の改善を求める要請署名

 特別支援学校・特別支援学級に在籍する児童生徒は年々増加していますが、条件整備がまったく追いついていません。全教では、「特別支援学校の設置基準策定を求める請願署名」「特別支援学級の編制標準の改善を求める要請署名」にとりくんでいます。



 特別支援学校の過大・過密化は年々深刻になっています。特別教室をすべて普通教室に転用したり、教室をカーテンで仕切って使ったり、玄関ホールで体育の授業をしたりということが常態化しています。その状況は、子どもたちの学ぶ権利を奪うどころか、いのちと健康も脅かしており、もはや人権侵害ともいえる状態です。その大きな要因が、幼稚園、小中学校、高校、大学、専門学校まですべてにある設置基準が、障害児学校だけにないことです。全教は、特別支援学校にも設置基準を策定することを求めています。

 特別支援学級には、学年も障害も様々な児童生徒が一つのクラスに在籍しています。現在は8人までは学年や障害の実態に関係なく1クラスです。8人の子どもの授業や学校行事、家庭との連絡などを1人の担任で対応するのは限界を超えています。学年差、実態差に応じた指導を行うためには学級編制基準の改善が必要で、全教は「学級編制基準を6名とすること」「通常の複式学級と同様に2学年以内で編制し、小学校で1年生が在籍する学級は少人数編制とすること」を求めています。

 新型コロナウイルスの感染拡大の状況を見ても、小規模で空間にゆとりのある学校・学級であることが安心・安全につながるということが明らかになりました。過密過大の解消と少人数編制の実現は喫緊の課題です。

 障害児教育の充実のために、この2つの署名運動を大きくくり広げていきましょう。

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