『クレスコ』

現場から教育を問う教育誌

クレスコ

〈2024年10月号 9月20日発行〉

【特集】教職員の長時間労働と「中教審答申」を問う

  • 全教共済
専門部

全国寄宿舎学習交流集会in高知のご案内

 全国寄宿舎学習交流集会(主催:2005年度全国寄宿舎学習交流集会実行委員会、後援:全日本教職員組合障害児教育部、寄宿舎共同行動実行委員会)が、「土佐で学ぼう!こじゃんと楽しい寄宿舎教育」をテーマに、今年は8月5〜7日まで高知県で開催されます。記念講演をはじめ、5つの講座、8つの実践分科会など盛りだくさんの内容。
 
 今回の学習交流集会は、特別支援教育に関わる国や地方の動向が激しく変化し、寄宿舎の統廃合などの教育リストラが進行する厳しい情勢の中で、寄宿舎によせる内外の関係者の願いや要望を集め、寄宿舎教育のあり方を創造し発信していく集会として、南国高知県で開催されます。
 全国の寄宿舎指導員・舎監はもとより、学部教職員や保護者のみなさんなど障害児教育に関わる、たくさんの人が学びあえる集会となりますよう企画しました。心より、みなさんの参加をお待ちしています。

■記念講演■

 講師:田中 孝彦氏(都留文科大学教授)
 演題:「子どもたちの声を聴き、憲法・教育基本法の価値を考える」
 
 戦後の教育が憲法・教育基本法によって、どれほど多くの発展を遂げてきたか。先人たちは権利としての障害児教育の確立のためにたたかい、民主的で科学的な障害児教育の実践を積み上げてきました。一人ひとりを大切にする障害児教育の理念は、まさに憲法・教育基本法の理念そのものです。
 障害児の「生活教育」を担う私たちが、今、生活という具体的な場面の中で発せられる子どもたちの声や、内面世界の言葉にしっかり寄り添い、実践に生かす力を培っていくこと、そして、子どもたちの心を踏みにじるものとは断固たたかう「思想性」を育てていくことが、大切だと思います。
 田中先生のお話は・・・きっと勇気と元気を与えてくださるでしょう。

■おはよう講座■

 ①「勤務・賃金・定数問題の基礎講座」②「寄宿舎運営基礎講座(舎監問題含む)」③「子どもの見方・発達の見方」④「ADHDってどんな障害」⑤「実技講座『Let’s flyig disk』」など5つテーマで講座を開きます。

◆第1講座◆「賃金・定数・勤務問題の基礎講座」

[講師:永崎 靖彦さん(全教寄宿舎事務局)]
 関連法規や各県の実態を紹介しながら、勤務・労働条件の改善の方向をさぐる。

◆第2講座◆「寄宿舎運営基礎講座〈舎監問題含む〉」

[講師:小野川 文子さん(全教寄宿舎事務局)]
 これから求められる寄宿舎の機能や役割をどうつくっていくか。また舎監の役割など、民主的な学校づくりの中で、寄宿舎運営の視点を学びあう。
 
◆第3講座◆「子どもの見方・発達の見方」

[講師:澤田 京子さん(高知県立盲学校教諭)]
 子どもたちと生活する中で、指導者にはどんなことが必要なのか、成長を喜び合える発達の見方とは?発達の入門編。
 
◆第4講座◆「ADHDってどんな障害」

[講師:湯浅 恭正さん(大阪市立大学)]
 ADHDなど軽度発達障害児の特徴を理解し、発達を促す指導や実践のあり方を学ぶ。
 
◆第5講座◆「実技講座『Let’s flyig disk』」

[講師:中町 尚一さん(高知県障害者フライング・ディスク協会)]
 1枚のディスクが、寄宿舎のレクリエーション活動のバリエーションを広げ、コミュニケーションの輪を広げる。リフレッシュにもなる実技講座。
 
■実践分科会■

 ①「子どもを主人公にした寄宿舎づくりA」②「子どもを主人公にした寄宿舎づくりB」③「学部との連携をすすめる」④「保護者・地域の要求に応えた実践」⑤「障害の重い子の生活づくり」⑥「思春期・青年期の実践」⑦「成人期の実践」⑧「生と性を考える」など8つテーマで実践分科会を開きます。
 
◆第1実践分科会◆「子どもを主人公にした寄宿舎づくりA」

[講師:湯浅 恭正さん(大阪市立大学)]
 舎生を主人公にした生活づくり、あそび、文化豊かな行事の創造、自治的な活動など。
 
◆第2実践分科会◆「子どもを主人公にした寄宿舎づくりB」

[講師:澤田 京子さん(高知県立盲学校教諭)]
 舎生を主人公にした生活づくり、あそび、文化豊かな行事の創造、自治的な活動など。
 
◆第3実践分科会◆「学部との連携をすすめる」

[講師:田中 正さん(日高養護学校教諭)]
 学部担任との共同実践、また、学部との連携を豊かにすすめる上での工夫、課題などを明らかにする。
 
◆第4実践分科会◆「保護者・地域の要求に応えた実践」

[講師:是永 かな子さん(高知大学)]
 保護者のニーズをつかみ、寄宿舎の教育的・福祉的役割をさらに発展させるために、どんな取り組みが必要なのか。入舎のありかた、体制づくりなど。
 
◆第5実践分科会◆「障害の重い子の生活づくり」

[講師:渡辺 忠直さん(元日高養護学校教諭)]
 障害の重い子の生活をどうつくっていくか。日課づくりや集団の取り組み、また医療的ケアの必要な子どもたちを受け入れる上での課題など。
 
◆第6実践分科会◆「思春期・青年期の実践」

[講師:松本 誠司さん(全障研全国委員)]
 多感な思春期・青年期の舎生たちの心に寄り添ったとりくみとは?自分探し、自分づくりを支援する寄宿舎のとりくみ。
 
◆第7実践分科会◆「成人期の実践」

[講師:井上 芳史さん(高知県立盲学校教諭)]
 年齢・生活実態・要求の異なる成人期、高齢者とともにつくる生活、社会自立への独自のとりくみなど。
 
◆第8実践分科会◆「生と性を考える」

[講師:坂元 康雄さん(江戸川養護学校)]
 生活の場だからこそ豊かに展開できる「生と性」へのアプローチ。東京での性教育攻撃の実態にも迫る!
 
■文化企画■

 講師:植田 省三さん
 演題:「土佐弁で日本国憲法を」
 
 植田さんは元高知市議で、現在は農業を営んでおられます。豊富な経験と流暢な土佐弁を駆使し、当日は現代の[語り部」として登場していただきます。

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