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奨学金MAP 全国自治体別奨学金制度の調査結果(2015年度時点)

 全教が2015年度から調査していた都道府県別市区町村の「奨学金MAP」が完成しました。高校生・大学生への給付制・貸与制奨学金の実態について、全国1741市区町村へのアンケートや聞き取り調査等によって明らかにしたものです。
 ①国の責任で学ぶ権利を保障する給付制奨学金制度を確立すること②都道府県レベルでの給付制奨学金の創設・拡充を求めること、③優れた制度を周辺の市区町村に広げること等を求めていくための資料としてご活用ください。



 今回調査した1741自治体のうち、返還する必要のない給付制の「奨学金等」があるのは、高校生向け295自治体(16.9%)、大学生向けが112自治体(6.4%)となっています。都道府県別にみると、高校生の給付制の「奨学金等」がある自治体の率は、近畿・東海の各府県ではすべての自治体が20%以上となっていますが、東北、九州では大半が0%か数%という低い数値になっています。富山(53.3%)、石川(52.6%)などのように半分以上の自治体に給付制の「奨学金等」がある県に対して、0%とまったくないものが6県(東北3、九州2、中国1)と都道府県によって大きな差が生じています。自治体によって高校生の教育条件に大きな差が生じるのは、高校生の修学を保障する上で大きな問題です。
 
 市区町村にしかなかった大学生向けの給付制の奨学金が都道府県に広がっています。香川県・長野県では地元に就職したり、地元の大学等に進学した場合に返還免除とする実質的な給付型奨学金が創設され年々拡充しています。2016年度には、青森・秋田・山形・岐阜・鳥取等、多くの自治体で、国の地方創生枠を活用し、自治体独自の給付型奨学金制度が大きく広がっています。また、高校生等への給付制奨学金が、東京都・山梨県・名古屋市等で2017年度から導入される予定になっています。
 
 世界でも異常な高学費の保護者負担の軽減と教育の機会均等の保障を求めて展開されてきた国民的運動と世論の高まりを受けて、政府もついに大学生等への奨学金について、返済不要の「給付型奨学金」制度の導入をはじめて決定しました。一定の評価をすることができますが、その対象人員は極めて少数であり、今後、抜本的な拡充を求めていく必要があります。
 特定の条件をクリアすれば返還を免除したり肩代わりする「給付型返還金」ではなく、支給段階から返還を求めない、本物の給付制奨学金を日本においても創設すべきです。すべての高校生・青年の学ぶ権利を保障するため、国の責任で給付制奨学金事業を早急に創設すべきです。


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