『クレスコ』

現場から教育を問う教育誌

クレスコ

〈2024年4月号 3月20日発行〉

【特集】「せんせい」になったあなたへ2024

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全教が文科省と概算要求交渉

 全教は、2013年度政府予算に対する概算要求について、8月8日、文部科学省と要求交渉をおこない、要求書を提出するとともに、全国の学校・地域から寄せられた「えがお署名」を手渡しました。交渉では、教職員定数の計画的改善をすすめる文部科学省の考えなどが示されました。

 8日の交渉には、全教から、北村中央執行委員長をはじめ四役、中央執行委員など9人が参加し、文部科学省からは、初等中等教育局財務課の伯井美徳課長の他、担当係長など5人が出席しました。

 冒頭、北村中央執行委員長は、「要求書」を手交し、全国の学校現場の切実な要求を取りまとめたものであり、これを文科省の概算要求に反映してほしいという教職員・父母の願いは大きく強いものがあることを表明しました。また、「えがお署名」の追加分4173筆を提出し、署名が7月25日文部科学省前行動で提出した分と合わせて10万3862筆に達し、大きな世論となったと述べました。また、全教中央執行委員会が大津市での中学2年生の自殺事件に関わって発表したアピール「子どもたちのいのちを守り、人間として大切にされる学校づくりをすすめよう」を渡し、全教としての決意を示し、関係機関の努力、国民的な討論を呼びかけていることを紹介し、概算要求を策定するにあたった、文部科学省としてこのアピールの意図するところを真摯に受け止め、具体化にむけての検討を求めました。

 本日提出した文部科学省概算要求にむけた「要求書」は、73項目にのぼるものですが、重点要求について今回の交渉で回答が示されました。

 「少人数学級の前進」について、学級編制標準改善計画の策定を求めたのに対し、現在、副大臣を責任者とする検討会議で検討中であるとしながら、文科省としては、35人学級を小学校1、2年で終わらせることなく、さらに推進していく考えであることを明らかにしました。同時に、いじめ、通級指導、経済的理由での格差などに対応するための加配、増加する非正規教員の解消も必要だと述べ、計画的な教職員定数改善をすすめる考えを示しました。改善計画策定の時期については、昨年末の財務・文科両省の確認にもとづく協議が必要であり、文科省としては、少人数学級は十分に効果を発揮していると考え、財政を含めて来年度予算編成にむけて財務省との協議をすすめると述べました。

 「高齢期雇用」については、現在、地方自治体にアンケートをお願いし、状況を把握しながら、総務省と連携しながら検討していると述べましたが、退職者が少ない年の採用問題にかかわって、今後の新規採用に支障をきたさないように定数改善計画を実現する決意が表明されました。

 そのほか、「福島原発事故と子どものいのち、安全」「就学援助の拡充」「全国学力テストの中止」についても、現時点での回答が示されました。

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