『クレスコ』

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ニュース

【要請】『調査団の派遣について(要望)』

2007年 5月30日
 
教員の地位に関する勧告の適用に関するILO・ユネスコ共同専門家委員会 御中

調査団の派遣について(要望)

 

全日本教職員組合
中央執行委員長 米浦 正


1.ILO事務局から、3月に開催された第298回ILO理事会において、ILO・ユネスコ「共同専門家委員会」(CEART)第9回通常総会(06年10月30日~11月3日)の報告が承認され、「指導力不足教員」政策と新しい教員評価制度に関して、共同専門家委員会が日本へ調査団を派遣する用意がある、との通知を受け取りました。

 全教は、ILOから送付された文書に記述された「必要とされる事後措置(フオローアップ)」に注目してきましたが、今回、共同専門家委員会が調査団の派遣を決め、問題解決に向け積極的行動に踏み出したことに敬意を表するとともに、文部科学省が受け入れを決断したことを評価するものです。全教は、調査団を心から歓迎し、実りある成果が生まれるよう全力でとりくむものです。
 
2.全教は、ILO・ユネスコ調査団の派遣が有意義な内容となるよう、次の要望を行います。
 
① 文部科学省及び各教育委員会・教職員組合からの調査(ヒアリング)は、対応する教育行政代表と教職員組合代表が同席した(文部科学省と教職員組合の中央組織、都道府県教育委員会と当該の教職員組合地方組織)、公聴会方式を基本とすること。
 
② 開催場所、調査対象については、全教の「申し立て」「追加情報」の内容を踏まえ、下記の場所を考慮すること。
 東京都内<文科省、東京都教育委員会>
 大阪市または京都市<大阪府教育委員会、京都市教育委員会>
 高松市<香川県教育委員会、高知県教育委員会、岡山県教育委員会>
 仙台市<宮城県教育委員会、山形県教育委員会>
 
③ 訪問時期は、本年10月を目途とすること。
 
④ 共同専門家委員会は、日本における「指導力不足教員」の人事管理と教職員評価制度について、「教員の地位勧告」の水準を満たす改善方向を具体的専門的に助言すること。
 
⑤ グローバル化する世界の教職員をめぐる動向と共同専門家委員会の問題意識・とりくみをブリーフイングする機会を設けること。 
 
3.全教は、「指導力不足教員」政策および新しい教員評価制度にかかわって、文科省や教育委員会の部分的改善であっても評価してきましたが、見直しは全体としてすすんでいません。その弊害は深刻であり、国際的な標準である「教員の地位勧告」と共同専門家委員会(CEART)勧告を遵守した、速やかで抜本的な改善が求められていると考えます。
 全教は、共同専門家委員会(CEART)勧告は、「日本の教職員組合運動の共有の財産」との見解を出しており、調査団の派遣が成功するよう他の教職員組合との協力の努力を約束するものです。

                                              以上

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