『クレスコ』

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〈2024年4月号 3月20日発行〉

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【談話】『教育改悪3法案の委員会採決に抗議する』

2007年 6月19日 全日本教職員組合 書記長 東森 英男

 与党は本日午後5時すぎ、参議院文教科学委員会において、学校教育法、教員免許法等、地教行法の教育改悪3法案の採決を強行しました。
 憲法の諸原則に反する重大な問題点が明らかになり、拙速な採決を行わず慎重な審議を求める多くの国民と教職員の声を無視して、法案に対する賛否の討論も行わず法案の採決を強行した自民、公明の与党に対して怒りをこめて強く抗議するものです。
 学校教育法改悪法案は、義務教育の目標に、「国を愛する態度」を入れ込み、内心の自由を侵害するものであり、その「愛国心」が、過去の侵略戦争を賛美するものであることが、「靖国DVD」によって明らかになっています。また、副校長や主幹教諭、指導教諭という新たな職をつくり、上意下達で動く学校をつくろうとするものです。教職員を増やさないまま、管理的な職員をつくることになれば、教職員や子どもの教育への否定的影響ははかりしれず、現に先行的に主幹制度を実施している自治体からは、志望者が少なく制度が機能していない実態も報告されています。
 教免法改悪でねらわれている教員免許更新制は、時の政府のいいなりにならない教員を教壇から排除する制度であり、教員の身分を著しく不安定にするものです。審議の中で、更新講習や認定について数多くの疑問が出されています。 
 地教行法改悪は、教育委員会に対する国の関与を強め、中央集権的教育行政をすすめることがねらわれており、とりわけ、「日の丸・君が代」押しつけにかかわっても「是正要求」をおこなうという、政府答弁は憲法違反の重大な問題です。
 このような重大な問題点を持つ法案について、数を頼んで強行をはかることは断じて許されません。まして、子どもたちの未来にかかわる教育の問題を、参議院選挙での「実績」づくりのために強行することは断じておこなってはならないことです。
 私たちは、参議院議長が、このような悪法成立の暴挙に手を貸すことなく、憲法違反の教育改悪3法案の廃案を求めるものです。
 いま、国民無視の悪政と改憲に暴走する安倍内閣に対する国民の批判は急速に高まっています。
 私たちは、さらに国民的な共同を広げて、諸悪法の強行と、そのための国会会期の延長を許さないために、最後まで奮闘するものです。

                                              以上

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