『クレスコ』

現場から教育を問う教育誌

クレスコ

〈2024年5月号 4月20日発行〉

【特集】子どもが幸せに生きる社会を求めて―子どもの権利条約批准30年

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オピニオン

【特別決議】『憲法改悪阻止、改悪教育基本法の具体化をゆるさぬたたかいに全力をあげよう』

特別決議
憲法改悪阻止、改悪教育基本法の具体化をゆるさぬたたかいに全力をあげよう


 教育基本法改悪をゆるさぬたたかいは、戦後教育運動史上、特筆すべき壮大な到達点を築きました。このたたかいをとおして、教職員組合と民主団体、労働組合との共同・団結は飛躍的に強化され、教育についての国民的討論はかつてない規模で展開され、安倍内閣と自民・公明与党を最後の最後まで追い込みました。改悪教育基本法は強行されましたが、歴史的な教育基本法闘争は、憲法改悪阻止闘争と、改悪教育基本法の具体化をゆるさず、教育を国民の手にとりもどすたたかいの条件と展望を大きくきりひらきました。
 
 安倍内閣は、改悪教育基本法と教育再生会議第1次報告の具体化のために、教員免許更新制導入のための教免法改悪、中央集権的教育行政をすすめるための地教行法改悪、改悪教育基本法第2条具体化と副校長、主幹を法律に位置づけ、教職員へのいっそうの管理統制強化をすすめるための学校教育法改悪という、3つの法案を今国会に提出しようとしています。しかし、これらは憲法違反の改悪教育基本法の具体化であるがゆえに、そのいずれもが憲法と、そして憲法が要請する教育の条理と正面からぶつかるものにならざるをえません。いかなる悪法も憲法の制約から自由であることはできず、いかなる悪法も教育の条理をすべて消し去ることは絶対にできません。憲法の力、教育の条理に立脚して国民的共同を広げ、国会闘争を大いに強め、教育改悪3法案を何としても阻止しようではありませんか。
 
 安倍首相は任期中の憲法改悪を公言し、憲法改悪のための手続法を、あろうことか、日本国憲法施行60周年を迎える記念すべき年の憲法記念日である5月3日までに強行するねらいをあからさまに示しています。憲法改悪のねらいの中心点は第9条を変えて、日本を「アメリカとともに海外で戦争する国」にしようとするものであり、断じてゆるせません。子どもたちに、憲法9条を無傷のまま手渡そうではありませんか。そのため、今国会でねらわれている改憲手続法を何としても阻止しましょう。
 9条改憲をゆるさぬ国民の声は日に日に高まっています。「九条の会」は、この1年間に2000をこえて各地域、分野で結成され、全国6000をこえました。教育基本法闘争の前進ともあいまって、国民世論も大きく変化してきています。最近のインターネット調査では、9条改悪反対は53%と過半数を超え、1月4日付静岡新聞は、同紙が3年連続でおこなっている憲法に関する県民意識調査で、「9条改正派」が大きく減少し、「『9条改憲』慎重論強まる」と報道しています。教育基本法改悪をゆるさぬとりくみをとおして蓄積してきた力と、大きく高まった国民世論の力で、憲法改悪をゆるさぬたたかいに全力をあげようではありませんか。
 憲法改悪をゆるさぬとりくみは、戦争する国づくりをゆるさず、平和な日本をつくるという国民的なたたかいです。同時にそれは、私たち教職員にとっては、教育の立脚点をさらに強固なものにするという、教育のいとなみを前進させるうえで、かけがえのない意義をもつたたかいです。この間築き上げた民主団体、労働組合との共同・団結の強化に根ざした父母・国民との共同の大きな前進という壮大な到達点をふまえ、父母・国民との共同をさらに大きく広げ、全力をあげてたたかいましょう。
 
 安倍内閣の支持率は下がり続け、最近の複数のマスコミの世論調査で、不支持が支持を上回っています。ワーキングプアをはじめ、貧困と格差拡大が国民生活を直撃し、人を人とも思わぬ冷酷な経済政策が日本社会をむしばんでいます。これとも深くかかわり、政治とカネをめぐる腐敗、「女性は子どもを産む機械」という人権感覚の麻痺という異常が、政権中枢から一挙に噴き出しており、捏造や隠ぺいという企業のモラルハザードも時を同じくして噴出してきています。この間の安倍内閣の支持率の低下は、これらに対する国民の怒りのあらわれにほかなりません。貧困と格差拡大をゆるさぬたたかいは、憲法第25条が保障する生存権を守るたたかいであり、人間の尊厳をとりもどすたたかいです。国民の怒りは、人間的尊厳をふみにじる安倍政権の本質に向けられたものであり、安倍内閣が急速に国民的支持を失ってきている根本原因はここにあります。この安倍政権に、緒戦において強烈なカウンターパンチを浴びせ、それ以後の支持率の続落を引き起こさせたのが、子どもと教育を守ろう、という教職員の誇りと尊厳に根ざし、人間的尊厳を正面からかかげてたたかった私たちの教育基本法闘争であったことに確信をもち、あらためて、このたたかいの重要な意義を確認しあおうではありませんか。
 戦争は、人のいのちそのものを否定する行為であり、人間の尊厳を根底からふみにじるものです。安倍内閣が憲法改悪によって「戦争する国づくり」をすすめようとすればするほど、国民との矛盾は、深まらざるをえません。「教え子を再び戦場に送るな」と誓った教職員が、憲法改悪阻止のたたかいの先頭に立とうではありませんか。
 
 4月には統一地方選挙が、7月には参議院選挙がおこなわれます。安倍内閣と改憲勢力に厳しい国民的審判を下す絶好のチャンスです。国民の怒りを総結集し、安倍内閣と改憲勢力に痛打を浴びせましょう。それは、憲法改悪阻止、改悪教育基本法具体化阻止のとりくみにとってもきわめて重要な意味をもちます。子どもたちの未来のために、2つの重要な政治戦、憲法改悪阻止のたたかい、改悪教育基本法の具体化をゆるさず、教育改悪3法案阻止のたたかいをかたくむすび、全力をあげてたたかいぬくことを呼びかけるものです。
 
 右、決議します。
 
2007年 2月12日
全日本教職員組合第24回定期大会

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