『クレスコ』

現場から教育を問う教育誌

クレスコ

〈2024年10月号 9月20日発行〉

【特集】教職員の長時間労働と「中教審答申」を問う

  • 全教共済
専門部

ハラスメント解決のための実践学習会を開催

 10月24日、青年部委員会の前に全国をつないだオンライン学習会を開催しました。テーマは「ハラスメント解決のための実践学習会」です。講師は、弁護士の富永ゆきこさんです。

 全教青年部が2019年におこなった調査では、約3割がハラスメント被害を経験し、1割が「辞めたい」と思うほどの被害を受けていたことが明らかになりました。職場でハラスメントを見聞きしたとき、被害にあったとき、どう解決するかを考え合いました。

 まず、職場におけるハラスメントの実態を学びました。

  • 2020年6月に施行された「パワハラ防止法(改正労働セ策総合推進法)」の意義や問題点、ハラスメントがもたらす被害、ハラスメントはなぜ起こるのかを学びました。

 学校現場におけるハラスメントでは、全教青年部のアンケートや行政調査からも浮かび上がる学校現場における深刻な被害を学びあいました。また、神戸市立小学校における職員間ハラスメント調査報告書から、学校現場で深刻なハラスメント被害が発生するまでを追いました。ハラスメントの解決と防止のために、まずは、「ハラスメント防止法」について知ることが重要であること。そして解決できた事例とできなかった事例から、職場づくりの重要性を学びました。

 感想より

〇とてもよかった 明日からの行動が変わります!周囲の先生に話しかけていこうと思いました

〇ハイツレイマンの分類が指標として非常に参考になった。ハラスメントの白黒ではなく、社会人として職場で適した言動かどうかの視点でハラスメントを見てみたいと思いました。

〇ハラスメントかどうかということそのものにとらわれないということが目からウロコでした。学校でも深刻なハラスメントが報告されています。全教青年部の青年教職員アンケートを通じて、問題のある事例に一定程度対応することができました。講演にもありましたが、学校という閉じた世界の限られた人間関係の中に閉じ込められてしまうと、問題が深刻化する危険性が高いと思います。いざという時に「ヘルプ」と言える外部のチャンネルが必要だと思います。教職員組合にも、そうした外部のチャンネル=相談窓口としての役割が期待されていると思います。

〇職場で本来協力し合うべき同僚に攻撃をしてしまうのは,個人の問題であったり,環境の問題であったりとありますが,環境改善で防げるものだと思います.粘り強く対話を続けていくことが大切だと思いました.

〇「大事なことは白か黒かではない」。この言葉が一番心に響きました。どうしても自然と振り分けてしまっていることが多いと思います。しかし、どんなことでも愚痴を言えたり、相談したりできる雰囲気から、そしてなんでも言い合えるところから始めたいです。

〇事例がとても分かりやすかったです。正直、「起こりうる」「似たようなことあったぞ」という感じです。ハラスメントかな?と感じれるような「目」を日ごろから養っていく必要があります。また、解決できなかった事例というのも、教えていただけたのは嬉しかった。とても分かりやすい内容だったので、青年部だけで聴くのはもったいない!感じでした。

関連ワード:
youtubeの画像